一般的な情報に関する検索行動は自社サイトへのトラフィックにつながらない
Googleは、これまでの検索画面とは異なる会話型AIアシスタント機能「AIモード」を公開しました。これにより、ユーザーの検索行動は大きく変化しており、B2B企業におけるSEOの考え方も、それに合わせて対応する必要があります。Candidsky社が、GoogleのAIモードについて、B2Bマーケティング担当者が知っておくべきポイントを解説しました。
B2B購買プロセスの初期段階では、「サプライチェーンを改善するには?」といった一般的な質問が検索される傾向にあります。AIモードでは、有力なWebサイトの情報をAIが要約して提示するので、企業が詳細な情報を自社サイトでまとめていたとしても、ユーザーはAIの回答だけで満足してしまい、結果として自社サイトへのトラフィックにつながらない恐れがあります。実際に、AIモードの影響によりCTR(クリック率)が20%低下するという調査結果も報告されています。
自社名や商品名に関する質問は、AIモードによる影響が少ない見込み
一方で、企業名や製品名が認知された後の検索では、AIモードの影響が比較的少なくなると考えられます。例えば、「X社のセキュリティ技術」といった検索であれば、AIの回答にもX社のリンクが含まれるため、ユーザーはその企業のWebサイトを訪問する可能性が高まります。
また、「データ分析の有力企業は?」といった検索の場合、AIは調査会社のレポートなどを引用しながら企業サイトへのリンクを提示するので、自社を推薦してくれるレコメンデーションエンジンとしての役割が期待できます。
オリジナルの統計データや調査資料を用意し、AIからの引用を促す
B2Bマーケティングにおいては、従来のSEOのように一般的な質問で検索結果上位を狙うのではなく、自社名や製品名を指名検索してもらえるようなブランディングを進める必要があります。そのためには、PR活動や専門的なウェビナーを通じて認知を高める施策が有効です。
さらに、AIモードが自動的に作成する詳細な質問に対応できるコンテンツを用意しておく対策も欠かせません。特に、オリジナルの統計レポートや調査資料を作成すれば、AIから引用される可能性が高まり、結果としてトラフィックの増加につながるでしょう。
まとめ
検索プラットフォームがパソコンからスマートフォンへと移行してきたように、今後はAIが情報収集の主戦場となっていきます。AIの精度がさらに向上していく中で、多様なフォーマットやパーソナライゼーションにも対応できるよう、B2Bマーケティング担当者は自社のコンテンツ戦略を見直していく必要があります。
参考資料
Author:Takayuki Sato